http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090523-00000034-scn-cn中国類人猿は石炭で飯を炊け。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆記事内容☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
日本は世界に冠たる省エネ国家である。確かに、国内総生産(GDP)単位当りのエネルギー消費量は世界で最も少ない。データが2005年と少し古くて恐縮だが、筆者の単純計算で試算したところでは、日本を1とした場合、比較的効率が良いとされる欧州でも英国が1.33、フランスが1.57、ドイツが1.74で、米国は日本の約2倍の2.02、中国に至っては6.56となっている。
こうして比較してみると、日本の省エネが如何に他の国々を凌駕しているかが分かる。鉄鋼生産では日本は世界最高水準のエネルギー効率を誇り、ハイブリッド自動車は世界最高の燃費の良さをアピールできる。日本のモノ作りに対する執念は目を見張るものがあるのは間違いない。
しかし、日本は本当に省エネ国家になったと言えるのだろうか。省エネをすればするほどエネルギー消費量が増えるとの指摘もある。そこで、これも単純計算で恐縮だが、実際に1970年代のオイルショックのときと比較すると、省エネ技術が進歩したにもかかわらず、エネルギーの総消費量は増えていることが分かる。オイルショック以降、一次エネルギーの消費量が最も少なかった1975年と2006年を比べると、総消費量は1.6倍、化石燃料(石油、石炭、天然ガスの総和)では1.4倍になっているのだ。
この間、経済規模は大きく拡大し、省エネ技術の進歩や日本企業の血のにじむような努力がなければ、さらに大量のエネルギーを消費していたことだろう。ちなみに中国を同年で比較してみると、総消費量では5倍、化石燃料では4.9倍となっており、凄まじい勢いで消費が拡大していることが分かる。
省エネを英語で言えば“Saving Energy (Energy Conservation)”、中国語では「節能(節約能源)」だ。言葉そのものの意味からすれば、エネルギー使用量を節約し、減らすことである。つまりエネルギーをできるだけ使わないことが省エネということになる。筆者は、この基本原則を忘れて省エネなどあり得ないと考える。
技術革新によって開発された省エネ設備を使ってエネルギーを節約できたとしても、その節約分を別のところで使ってしまえば、化石資源の枯渇を早め、環境に負荷をかけることは同じであり、省エネの意味がなくなってしまう。消費を減らすことが本来の目的であって、効率向上はあくまでも消費を減らす手段であるとの認識が大切なのではないだろうか。(執筆者:高見澤学・日中経済協会 注:本稿内容は筆者個人の見解であり、日中経済協会全体としての意見ではない)
テーマ : 中国問題
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